親族を締め出す障害者施設

 T弁護士が当時残高約300万円の普通預金が500万円になるまで信託の手続きをしないことにしたきっかけとなったのが、施設の人が弁護士に話したことでした。「信託に預けたら簡単には引き出せなくなってしまい、何かあったときのために普通預金に500万円くらいはないと困る」と言ったそうなのです。

 しかし、これは全く事実ではなく、間違いであることが後に判明します。施設にはきちんと弁護士に訂正するように申し入れたのですが、なぜか施設は何もしてくれませんでした。

 そこで、施設を運営する事業団に問い合わせたところ、すぐに確認して折り返し電話をくれると言われたのですが、待てど暮らせど連絡がありません。1カ月ほどしてこちらから連絡すると「このことについては親族後見人としか交渉しないことにした」という返答でした。だから私に連絡すらくれなかったと言うのです。

 これまでこの件に関して弁護士や裁判所と交渉してきたのはすべて私なのに、私を締め出すことにしたのです。親族後見人はこの件に関してほとんど何もしていないし、詳しいことは知りません。

 施設側の対応がきっかけで入所している障害者が被害にあったのだから、被害の回復のために一緒に行動してくれるのが当然だと思っていましたが、全く逆の対応でした。入所者の権利を守るのではなく、組織を守る方を選んだと言えます。

 事業団の方針を受けて施設側から同じような回答が親族後見人にあったようです。弟がお世話になっている関係上これ以上追及することもできません。

 果たして障害者施設が特定のことについてのみ親族の意見要望を聞かないということがあってもよいのでしょうか。ちなみにこれは施設の意思ではなく、顧問弁護士の助言によるものだと思われます。弁護士たちはどうしてこれほどまでに仲間をかばうのか不思議でなりません。